<ファンタスティック フォーチュン>  セイリオス&ディアーナ

セイリオスのお誕生日記念にフリー配布したものです。SS付き。
初めてこのゲームをプレイした時から大好きなカップルの二人です。
でも最近密かにシオンによろめき始めてる事は秘密♪(爆)
SSは下にあります。
「お兄様、お誕生日おめでとうですわ♪」

「あ、ああ・・・ありがとう・・・。」

突然セイリオスの部屋に飛び込んで来て彼の手をしっかと握り、ディアーナは祝福の言葉を述べた。

「それでわたくし、とびっきりのプレゼントを用意しましたの。受け取って下さいませ♪」

せっかく来たのだから、とりあえずお茶でも飲もうとテーブルにつくと、ディアーナはセイリオスの髪をとり少し赤くなりながら

もじもじと三つ編みを始めた。

「・・・それは嬉しいのだが、私の髪で遊ぶのは止めて貰えるともっと嬉しいな。」

「あら、殿方が細かい事を気にするものではありませんわ。」

「・・・・あのな・・・・。」

「それで・・・・お兄様へのプレゼントなんですけど・・・・・。」

「え?ああ。」

「頭に ” あ ” が付きますの。」

「うんうん。」

「次に ” か ” が付きますの。」

「・・・・うん・・・・?」

「とってもとっても可愛らしいんですの!」

「・・・・・・・・・・・。」

(頭が ” あ ” で、その次が ” か ” ・・・・・。で、可愛らしい・・・・・。)

「・・・・・ちょっと待て・・・・・。ディアーナ、まさか・・・・・。」

ディアーナの言い回しにある単語に辿り着き、思わず彼女のお腹の辺りをまじまじと見つめてしまった。

「きゃーーーっ!いやですわっ!セイルったらエッチですわーーーーーっ!!」

ドンっという音と共に突き飛ばされたセイリオスは、危うく椅子から転げ落ちそうになった。

「っ・・・・・・お前なっっ!!」

いつの間にか呼び方もセイルに変わっている。

「あっ、そうそう、わたくしったら大事な用を忘れていましたわ。プレゼントはまた後ほどという事で。

それではセイル、ごきげんよう♪」

「おいっ!コラッ!ディアーナ!!」

言いたい事だけ言って去って行った妹の後姿を、セイリオスは呆然と見送った。

(・・・・まさか・・・・あの時か!?・・・いやいや待て待て、あの時かも・・・・・。でも万全を期したはず・・・。

という事はどういう事だ!?)

パニクった頭でとんでもない思考をめぐらせる殿下が一人。

いつもの姿からは想像もできない程、動揺しまくっていた・・・・。





「・・・・・それで、その後どうされたのですか?」

「どうもしませんわ。そのままほったらかしてきましたもの。」

セイリオスが部屋で一人悶々としている時、通りすがりにディアーナに捕まったシルフィスは事の顛末を聞き、

思わず殿下を哀れんでしまった。

「・・・・きっと今頃、一つの言葉が頭の中をぐるぐると駆け巡っておられるのでは・・・・・。」

「いい気味ですわ。最近、ご公務がお忙しいとかで、ちっとも構ってくれないんですもの。

これでしばらくはわたくしの事だけで頭がいっぱいですわ♪」

「姫、それは・・・・・・。」

シルフィスは頭を抱えた。もうフォローのしようも無い。

「大丈夫ですわ。嘘だという事はすぐに分かるんですもの。

・・・・・・・ただちょっと、お兄様がどういう反応をするのか知りたかったんですの・・・・。」

「姫・・・・・・。」

想いを交し合った事を後悔はしていなかった。

その事がどういう結果を招くのか、ディアーナにもまだ分からない。

でも、自分がそうであるように、彼の人にもお互いのぬくもりを分かち合えた事を後悔して欲しくない。

「大丈夫ですよ、姫。殿下はいつも姫の事を一番に考えておられます。

隊長やシオン様のお墨付きですから、間違い有りません。」

「シルフィス・・・・・ありがとう・・・・・。」

俯いてしまったディアーナに、シルフィスは優しく語りかけた。

立場は違えど、姉のように妹のように愛おしく想う彼女が、幸せであるようにと。





その後、ディアーナの言葉を信じて疑わないセイリオスは彼女に本当の事を聞くまでの間に、結婚の準備から子供服の準備、

果ては逃避行の首尾まで整えてしまい、ディアーナを慌てさせたのだった。





後日談

「ところで姫、お誕生日の本当のプレゼントはどうなされたのですか?」

「もちろん、ちゃんとあげましたわ。」

「どのような物か、聞いても宜しいですか?」

「きゃーーーーーっ!シルフィスったらエッチですわーーーーーーーっ!

そんな事、恥ずかしくて言えませんわーーーーーーーーっ!!」

ディアーナはキャーキャーと叫びながら赤くなり、嬉しそうに走り去っていった。

後に残されて何が何やらさっぱり分からないシルフィスは、この後レオニスにどういう事なのか尋ねてしまい、

自分の身をもってその意味を知るハメとなる。




                                                                END